キミの心の声を聞かせて

恋と友情


チュンチュンと、可愛い声で鳴く雀の音が聴こえてくる翌日の朝。


「智香ぁ、大丈夫なの?」


あたしの部屋のドアを開けて入ってきた母。



「熱はどう?」



そう言って、あたしの額に触れると


「まだ、熱いわね…」


「うん…」



きのう、家に帰ると、珍しく先に帰っていた母が


「どうしたの!?そんなに濡れて」


慌ててタオルを持ってきてくれた。


「ちょっと…傘忘れちゃった」



強がって笑った笑顔を、なんだか悲しそうな瞳で母は見つめたけど


それ以上は、何も聞いて来なかった。




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