キミの心の声を聞かせて

軽音部結成


次の日の朝は、いつもより気持ちのいい目覚めの朝で。

ベットから起きて窓から空を見上げると

どこまでも広がる青い空に飛行機雲が一本スーと伸びていた。



「何か嬉しい事でもあったの?」

朝食のトーストをパクリと頬張る時に、母からニコッと笑いながら言われてドキンとなった。


「えっ?なんで?」

「いつもより顔が明るいから。何かいいことがあったのかなって思ったのよ」

そうかな?思わず片手で頬に触る。


「ねぇ。どうなのよ?」


興味津々に聞いてくる母に


「うん…ちょっとね。新しい友達ができたんだ…」


あたしの言葉を聞いた母は「よかったわね」と嬉しそうに笑った。


母の嬉しそうに笑う顔、なんだか久しぶりに見た気がする。


いつも心配かけてばかりだからな。


まだニコニコと笑いながら「今度、うちに連れてきなさいよ」なんて楽しそうに話す母を見ていると、あたしも自然に笑顔になれたよ。


「うん…その内ね」
そんな日が、来たらいいな。



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