中学生。
1年生。

初めての恋人。

「遠くに行っても忘れないでね。」



「…うんっ!!」



あの日、私たちはしっかりと誓った。…はずだったのに。



3月28日。小学校生活最後の離任式だった。



それまで、付き合っていた年月は約2年半。



4年の秋からつきあっていた。



所詮、小学生の付き合いだったと言うわけだ。



今言っても仕方のないことなのだが…。



当時の彼氏、木島俊は、小学校いっぱいで神奈川に引っ越すという。



私の住んでるところは中部地方の、ある県なので本来はあまり遠くないのだが、小学生にとってはかなりの遠距離に見えていた。



これから色んな試練が待っているだろう。



何があっても、この気持ちを守り続ける。俊のことを信じると、自分に誓った。



無事離任式は終り、涙ながらの生徒もたくさん居たが、正直…私、仲田朱音はそれどころじゃなかった。



早くしないと、俊が行っちゃう…。



それを考えてばかりだった。



結局、その後俊には逢えなかったのだが…。
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