一匹狼と天然子羊

芽衣side


えっ、今なんて……?


私、弘人くんに告白されたの……?


最初言われた時は言葉の意味が和からなくて“そうなんだ……”て言ってしまったけど、あれって告白だよね?


「あの、もう1回言って」

「何が?」

「そのさっき言ってたこと……」

「何回言わせんだっ。もう言わねぇからなっ。その、お前の事が好きなんだっ」


弘人くんは、顔を真っ赤にしてそっぽを向きながらそう言った。

私もつられて顔が熱くなる。


「その、良かったら付き合ってほしい……」

段々と弘人くんの声が小さくなった。

「うん……」

うわぁ、私今“うん”て言っちゃったよっ!

恥ずかしい!


弘人くんは驚いたように、此方を見ている。

「恥ずかしいからそんなに見ないでよっ」

「あ、すまん」

それから再び沈黙がながれる。


沈黙に耐えられず、私は弘人くんに話しかけた。


「「あ、あのさ……」」

そしたら見事にハモって、私達は笑いあった。
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