咲と亮

「や!亮くん!1週間ぶり!」

クラスに向かうと咲がいて、その隣には、
「おはよ安達」
「おおおおう…おはよう」
一時期、クラスで咲を狙ってた奴がいた。

だから思わず、
「身体は大丈夫か?」
「?なに言ってんだ安達」



…そいつが咲を狙ってると噂になった当時は、「あんなイモな輩に咲はあげられないわ!ちょっとアンタ達協力しなさい!」と、悪魔ならぬ女王様降臨した林琉羽の指示によりクラス全員で妨害工作をした思い出がある。
あの仕打ちの非情さは、クラスの誰もが林には逆らわないようにしようと心に決めさせたに違いないと思う。


またチャレンジし始めたのかアイツ。

…あんだけ林琉羽に痛めつけられて、尚。
あの、雰囲気で生きる流川咲に。

俺は最初から咲と仲良くしてたから、当時、
対抗心をもたれてたらしい。

俺らはそんなんじゃないっての。


「お~、トリックアート?」
「そうそう。美術館のトリックアート展、おもしろそうだろ?」
「うん思う思うー」
「じゃあ、今度一緒に行かない?」

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