意地悪なキミと恋の勉強


「……ふ、ぁ…」




力の限り

朱里にしがみつく。




「……くるし…ぃっ…」




息の仕方がわからなくて

苦しくなってきたとき



朱里が唇を離した。





「もうギブ?

まだ、30秒もしてないよ?」




朱里はニヤニヤしながら
「舌も絡めてないのに」と付け加えた。



む、ムカつく…!!!





「……ぁ、朱里は慣れてるかもしれないけど…」




朱里は、昔


かなり女癖が悪かったらしい。



今の智純くんより
ひどかったって


舞結からの情報。




「……ぇ?なに?

聞こえなかった」



「…なんでもない」




あたしは


首を傾げる朱里を置いて

下駄箱に行った。



.
< 162 / 371 >

この作品をシェア

pagetop