意地悪なキミと恋の勉強


それから、入学式が始まった。



とにかく退屈で…


ずっとボーッと
アイツに勝つための作戦を考えてた。



あたしは普段、テストに気合いを入れたりしないんだけど……


入れなくても出来るから?(笑)

ウソです。すみません泣



でも、高校生になったんだし


気合い入れてみるか!!!




なにかに熱中するのは
嫌いじゃない。



ま、熱中するのが
アイツとの勝負なのが


イマイチ気に食わないけど。





『では、新入生を代表して

入試一位の水橋くん、お願いします』




パチパチパチパチ……



拍手の鳴る中

舞台にはムカつくヤツの姿。



…でも

挨拶しなくて済んだのは
コイツのおかげか。



ちょっとだけ


ちょぉぉっとだけ感謝。



ありがとう。


絶対、直接は言わないけど。



私は、スピーチする朱里に向かって


口パクで



『ありがとう』


って、言ってあげた。



.
< 22 / 371 >

この作品をシェア

pagetop