君の全てを教えて。




そんな恥ずかしさで
いっぱいの空気に
包まれていたら



「優斗!!!」




後ろから女の子の
声が聞こえた。




「優斗〜こんなとこで
なにやってるの?」



その子はわたしを
じっと見た。



「んー、デート。」



竹本優斗はその子に
向かって笑って言った。



「え?波川さんって
優斗と付き合ってるの?」



ー同じクラスの
北島彩乃ちゃん。



すっごく可愛くて
みんなから人気のある子。



「違うけど・・」



わたしは俯いて言った。




「付き合ってないのに
デートしてるの?
じゃあ優斗あたしとも
デートしようよー!」



「嘉穂は特別だから。」



優斗ははっきり言った。



心臓がドキンと跳ねた。



「なにそれー
ずるいー!!」



わたしに激しい嫉妬の
目を向けてくる。



優斗に対しては拗ねた
ような表情と口ぶりだが
私に対しての目が怖い。



「まあ今デート中だから。
彩乃また明日な。」



適当に優斗が彩乃ちゃんをうながす。



・・・

彩乃って名前で
呼んでるんだ・・



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