浮気彼氏との約束



…何でごまかすの?

せっかく勇気を出して聞いたのに…。


私は唇を噛み締めて下を向いた。



すると、悠の手が私の手に伸びてきて、何かを握らせた。

ビックリして顔を上げると、悠は微笑んだ。



「…手、開けてみ」

少しずつ、手を開けてみる。





「………え…」



手の平の上にキラキラ光る、星一つ。



「着けてやるから後ろ向け」

悠に背を向けて少し待つと、首にその星がかかった。



「……ひゃっ!?」

と、同時に首筋を舐められてチクッとした感覚がした。




「ネックレスにキスマークなんて、完全に葉月は俺のもんじゃん?」

顔に熱を持ちながら振り向くと、悠が意地悪そうにニヤッと笑う。




…でも、何でネックレスなんか?

その答えは考えなくてもすぐ浮かんだ。







「誕生日おめでとう、葉月」



…いろいろあって忘れてたよ。

悠は覚えててくれたんだね。



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