キミが居た病院

 ふと気が付いた時、優香は眩しいほどの光の中に立っていた。

「え?」

 ぼんやりと辺りを見回しても、光が強すぎてここがどこだか分からない。

 いや、もしかしたらどこでもないのかもしれない。

 地面を見ると、歌手がステージに立ったときにたかれるモヤの様なもので埋め尽くされている。

 少し歩くと、向こうのほうに人影が見えたので、目を凝らしてよく見てみると二人いることが分かった。

「でもこの状況、どこかで――」

 最後まで言うことなく、優香は思い出した。


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