キミが居た病院
第一章 いちごオレ

「五十嵐さ~ん? 起きて~。体温測る時間だよ」

 寝ぼけ眼で左を向くと、そこには美沙の姿があった。

「イトちゃん……もうそんな時間?」

「そうだよ~お昼寝のところ悪いんだけどね、決まりだもん」

 彼女が見せてくれた腕時計の針は十一時五十分を指していた。

「今日は早いんだね」

「そうなの~。昼に会議があるらしいんだよね! だからごめんね」


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