キミが居た病院
「ん?汗かいてる……寝汗かな。体温はいつもどおりだったみたいだし」
気が付けば、服がじんわりと湿っていた。
額に手をやると、やはり少し汗をかいたようだ。
このままで居るのも気持ちが悪かったが、もうすぐ昼食が運ばれてくるので、ご飯を食べてから着替えることにした。
窓の方を見ようと右を向いた時、右斜め前の洗面所にある鏡が気になって二度見をしてしまった。
その鏡は、ただ部屋を映し出しているだけで特に変わった様子も無い。
だが優香の心臓は凄い速さで鼓動を打ち、今までかいていた汗が一気に引いた。
そして喉がカラカラに渇いて水分を欲していた。
「今……何か?」