キミが居た病院


 それから美沙に連れられ、自分の部屋に帰るまで、ずっと泣いたままだった。

 どんなに泣いても、涙は枯れる事を知らない。


 ――泣き疲れて、いつの間にか眠ってしまった様だ。

 目が覚めた時にはもう外は真っ暗になっていた。


 ふと、ベッドサイドテーブルに置かれた携帯が気になり、手に取った時、優香はびっくりしてしまった。

 いくつかあるストラップのうち、知らないストラップが一つ、紛れ込んでいたのだ。

 まじまじと見た時、また涙が溢れてきた。



< 243 / 246 >

この作品をシェア

pagetop