マスカラ〜年下男子の甘い秘密〜[完]
「ねぇ」
『何よ』
恥ずかしくなって小声になる

「お腹すいた」
『…はぁ』
わざとらしくため息を吐いてみた

『今日は家で食べるつもりだから』
「おぉ!手料理大歓迎」
スタスタ近づいて来て私のバッグを持つ

「帰ろ?」
首を傾げてニコニコ笑う蓮

『はぁ…』
「まぁた、ため息。今から一回につき100円ね」
人差し指を立てて偉そうに言う

『何の為に…』
「幸せ逃げちゃうより良いでしょ」
こうして悪戯っ子のように笑うと本当に何歳かわからない

『は…』
思わず出そうになったため息を両手で押さえて飲み込んだ
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