狼執事とお嬢様♡~ある日の狼~



そうして生活をすること、数年……


俺は高校1年の春を迎えようとしていた…








“凛城家のお嬢様に仕えてもらう”





そんな話を、不意に出された。




『凛城…ですか…?』

「あぁ、ボロのないよう、気をつけろ。
君の他に、2人執事がつくようだ。
その2人とも、仲良くするといいさ。」



最後の言葉は、どうせ心にもないことだろう?



この男は思ってないことの言葉が分かりやすい。





『はい…。』





それと。



と、接続語を入れて男は続けた…








「この仕事が入ったと同時に、君はもう自由だ…。

私と顔をあわせることも、ここにくることもなくなる…。

お金は、直接君の口座に振り込まれるだろう…。

学費、生活費。これからは自分で負担をするんだ。





さぁ、出口は向こうだ……




さようなら、矢野君。」




俺はコレを最後に、この男とは一切会っていない…。


別に、悲しくも、寂しくはない…。



< 38 / 52 >

この作品をシェア

pagetop