ただ あなただけ・・・
「・・・あれ?俺が居るの知らなかった?ずっと会議室で仕事してたけど」
知らない。ひたすらパソコンとにらめっこしてたもの。いつの間にか居なくなってたから。
「夕食まだだろ?一緒に食べようと思って」
彼は隣の椅子を引っ張り、私の隣に座った。袋をガサゴソと漁り、中からメロンパンを取り出した。
「これで良いよな?『つぶつぶ果肉入りDXメロンパン』!」
ほら、と言いながら私に渡した。
―――私の好きなの覚えてたんだ―――