恋のおくすり
「直樹聞いて!
この・・・“恋のおくすり”ってやつね、両想いになれるらしいんだ・・・。
だから直樹と両想いになろうとして直樹に撒いたのに、効かなくて・・・
羽実も使ったのに、効かなくて・・・」

あたしはおくすりのことをみんなにバラした。

「・・・効かないに決まってんじゃん」


直樹がそうボソッと言った。

「なんで・・・」




「だってオレは初めからお前が好きなんだから!
恭太だって、初めから羽実が好きなんだからさ!」





・・・じゃあ


本物の恋には効かないって意味―――――?




「羽実・・・」


あたしは急いで羽実に目をやった。

そこには、恭太と腕を組んでる羽実の姿。


「あれっっ羽実・・・」


「こ、告白してみたの・・・!
付き合うことに・・・なっ・・・たの・・・」


羽実・・・!!


「よかったじゃん羽実!!!
一緒にWデートしようね!!」



「「え゛」」


その”え゛”という直樹と恭太の声で、窓ガラス10枚割れたという・・・。
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