純愛ワルツ
「倉月 緑です。今日は皆さんと初対面の私までお邪魔してすみません。よろしくお願いします」



みんなに自己紹介をしてお辞儀をするくらちゃんさん。




「なっちゃん、こんな出来た彼女いるのに何でシスコンなんですか?」


「お前みたいな輩がいるからだ」




またしても火花を散らす茜くんとお兄ちゃん。



何だか2人、仲良くなったなぁ。




それを嬉しく思いながら


髪をいじっている天音さんと

真っ赤な顔をしたよっしーに視線を移した。




「あ…あああ天音ちゃん、会うのは久しぶりだね」


「先週会ったわよ、大和」


「俺にとっては天音ちゃんに会えない1日は1年のように長く…それでいて」



「先輩、口説くの早ぇっス!まだ集合したばっかでしょ」




よっしーの肩を掴んだ茜くんは


よっしーを天音さんから離す。





「順序ってもんがあるでしょうが!何1人でテンパってんスか」


「だ…駄目なんだ、俺。好きな子の前だと正気が保てなくて…」


「アンタどこのチェリーボーイだ!中学生の恋愛じゃねーんですから、そんな初々しさいらねぇんスよ」




はい、リラックス〜と


強張ったよっしーの肩をマッサージする茜くん。





「先輩、まずは何も話さず天音のペースに合わせて下せぇ。その後、徐々に先輩から攻めていけばいいんスよ」


「それじゃあ天音ちゃんが退屈しねぇか?」


「パニクった奴に突然口説かれるよかマシですよ」




茜くんに背中を押されたよっしーは、同じ側の手足を振りながら天音さんの元へ戻っていった。




「よっしーは本当に天音さんが好きなんですね」


「だな。でもあのオッサン、大丈夫かな?」




…茜くん

こんなに熱心によっしーと天音さんをくっつけようとしてるって事は



天音さんを特別に想ってないって事だよね?




…って、これじゃまるで

茜くんを疑ってみたいだ…。

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