純愛ワルツ
「もしもし、柏木です。少し遅れます」


「あー…わかった。早く来いよ」



あら。

キモロン毛先輩、今日も同じシフトだったのね。




ってか、この人

毎日のようにシフト入れてるけど


何してる人なんだろ。





歳は俺と差ほど変わらなそうだけど…フリーターか?



バンドで食ってけるようになるのが夢とかいう、夢追い人か!?

今時稀少種族のロマンチストか!?



ぎゃはは!傑作…「うるせーぞ」




あり?

また声に出てた?




「俺はバンドは趣味でやってるだけだ。それと、フリーターじゃなく正社員だからな」


「えっ!そのセンスのねぇ名前のカフェの正社員!?マジ!?」


「あぁ。店長は俺の親父だからな」



あー…

だからあんなファンキーなオヤジだったのか。



店長とは面接の時しか会ってないけど、あのインパクトは忘れねぇ。



髪はピンクだし指輪やネックレスジャラジャラで、何故かアロハシャツ着てたんだよな〜…。


店長って言ったらスーツだろ、普通。




「あの親してこの子供ですね」


「ぶっ殺すぞ、テメ…



ブツッと、吉澤先輩との通話を切った。




よし。

急ごう。
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