純愛ワルツ
「よっしー。今来たんですか?」


「あぁ。今日のライブは俺らのバンドだけじゃねぇからな。俺らの出番は20時からなんだよ」


「そうだったんだ。合同ライブみたいな感じなんですね」


「まぁそんな感じだ。それより、柏木の奴はまだ来ねぇのか?」




よっしーは周りをグルッと見渡してから、再び私に視線を戻した。




「待ち合わせまで、後20分くらいありますから。私が早く来すぎただけです」


「男なら1時間は前に来いっつーんだよな」




1時間も前に来ても暇なんじゃ…




「よっしー、茜くんはどんな人ですか?」


「柏木?…あいつは…まぁ悪い奴ではないと思うよ」


「ですよね」



よっしーに恋の相談を持ち掛けようか、どうしようか悩んでいると


前から茜くんが歩いてきた。




私に気付いた茜くんは走り出す。




「ごめん。待たせたみたいで」

「いえ!私も今さっき来たところです」




あれ。

このやり取り…



漫画でよく見るデートのワンシーンじゃない!?




わ〜!

私にもやっと、これが出来る日が来たんだ。
< 26 / 144 >

この作品をシェア

pagetop