夢奏-ﾕﾒｶﾅﾃﾞ-

出来る事、出来ない事

キーンコーンカーンコーン。


「今日でテストは終わりだー。だからって気を抜かずにしっかり過ごすようにな！」


担任である嶋岡の話しを聞いてからマフラーを首に巻き付けていると、背中に小さな衝撃を感じた。



『痛いって、全！』


振り向かなくても分かるのは、多分こいつと居る時間がやたらと長いからだと思う。


山下全(ﾔﾏｼﾀｾﾞﾝ)。
同じクラスで同じ部活だから常に全と一緒にばかをやってる。


「テスト出来たか？」


『相変わらずだ！』


「俺もだ！」


そんな他愛がない話しをして、ばかみたいに笑いながら俺達は部活に向かった。