陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
「で、お前はこんなところで何をしている」

小十郎に言われて、あぁ、と慌てて答えた。

「こたが…まだ帰ってこなくて」

幸姫が言うと、小十郎はあぁ、と何かを察したように小さくため息をついた。

「残念だが、政宗様が何を言いつけたのかわからん。だからどこで何をしているのか誰も知らんだろうな」

言われて困惑した。

「パパも知らないの?」

顔をしかめる幸姫。

「いい加減、パパはやめろ。…小十郎でいい」

諦めにもにた表情で、はぁ、とため息を漏らす。

「お前こそ、本人から何か聞いているのではないのか?」

言われてふるふると頭を横にふった。

「ただ、少し出かけるって」

言って幸姫は俯いた。

結局政宗本人から聞き出せず、小太郎はまだ帰ってこない。

「とにかく、明日は早いんだ。もう寝ろ」

小十郎に言われて悩む。

「でも…」

「何もわからないのに、今何かできることがあるのか?」

言われてうっと言葉につまった。

「ならば寝ろ。暫くは野宿が続くんだ」

言われて幸姫は小さく頷いた。

「そう…する」


こた…ほんとにどこいっちゃったんだろ。


「おやすみなさい」

「あぁ、おやすみ」

幸姫は小さくため息をつきながら、部屋へと戻った。





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