陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
手紙の最後には、『これを見つけた方は、東京にいる、母、青柳玲子へ渡して下さい』と書かれていた。

「幸姫…」

声を上げて泣いた。


どうしてまた、今度は娘が自分と同じようなことになったのか。
そして、もう二度と、娘に会えないのか。


悲しみで押しつぶされそうだったが、最後の娘の一言に、少し救われた気がした。


元気でやっている、と。


生きている。
幸姫はまだ、生きている。


「あなたも…しっかり生きるのよ…」


暫くの間、幸姫からの手紙を握り締め、泣き続けた。



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