飴色蝶 *Ⅰ*
常連のお客様の相手をしている
朱莉は、会長と今一緒にいる
女性が、この間の庵の知人だと
いう事を知り、二人が何を
話しているのか

とても気になり仕事どころでは
無くなっていた。

『もしかして
 庵の大切なあの子を
 愛人にするつもりなの・・』
 
「お酒は、いかがかな
 飲める口かい?」

私のグラスに、お酒を注いで
くださる会長の手に
私は、手を添えた。

「ここへ来る前に友達と
 たくさん飲みましたので
 もう、このくらいで・・・」

「そうかい・・・
 それでは聞かせてくれるかな
 君とイオリの関係を詳しく」

「詳しく話す事なんて
 何もありません
 
 私達は、ただの
 高校の先輩と後輩です」
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