飴色蝶 *Ⅰ*
「イオリ、大丈夫
 夜はちゃんと眠れてるの?」
 
庵は、首を左右に振った。

「じゃあ、もう休んだほうが
 いいよ

 少しだけでも眠る方がいい
 私なら一人でも帰れるから」

私は、玄関先に立つ。

「呼び出しておいてごめんな」

「ううん」

帰る私を見送る庵は

とても寂しい表情になる。
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