飴色蝶 *Ⅰ*
庵の心の中にも、葛藤はあった

庵が朱莉を愛してる気持ちに
嘘は無い。

彼女を幸せにしてあげたい
気持ちは、今も変わらない。
 
けれど、菫が今、泣いているん
じゃないかと思うと
   
庵の胸は、激しく騒ぐ。

庵がずっと、菫に触れる事が
できなかったのは

彼女を愛してしまうような
気がしたから・・・
   
『手を出しておいて何を今更と
 俺の身勝手な思いに
 お前は怒るかもしれない
 
 ・・・だけど
 
 オマエだけは

 不幸にしたくない』

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