飴色蝶 *Ⅰ*
相変わらず、朱莉との仲は
何も変わらない。

この胸に抱き、ここにあると
思った次の瞬間に、彼女は
消えてしまう。
    
会長の愛人を続け
彼が言ったように
ここだけに留まる事は無く
違う男を求める。

そして、愛を手に入れると
パッと手を離す。

そして、庵の元で羽を休めて

またヒラヒラと舞い

違う愛を探す。

何度、話しても・・・

何も、変わらない。

庵の中に、苛立ちさえ感じる。

「親父と別れろよ
 ・・・俺の傍にいろ」

その言葉は、ずっと一方通行。 

最近は一緒に過ごしていても
喧嘩をする事が増え
二人の関係は、うまくいかない
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