飴色蝶 *Ⅰ*
何故なら、私も最近
同じ理由で、彼に
別れを言われたから。

「大丈夫、サラサ
 これ使って」

雪乃が差し出した
ハンカチを、更紗は
受け取る。

「ありがとう・・・」

その声に元気は無く
俯いて、しな垂れる。

そんな更紗の肩を
私はそっと抱き寄せた。

「スミレ、私
 まだ信じられなくて
 胸が苦しいよ」

私の隣で、彼女は肩を
震わせて泣いている。
  
彼との別れが

こんなにも辛い

と嘆き悲しんでいる。
  
その姿は見ていられない
程に、可哀想で

私は、更紗を抱きしめた

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