飴色蝶 *Ⅰ*
「ありがとうございます
 
 あなた、これ」

「三代目・・・」

「入院は何かと金がかかる
 少ないが取っておいてくれ」
   
「ありがとうございます」

病室を離れ、待合室で話す二人

その周辺を、目を光らせて
組員達が見張っている。

「それで、娘さんの容態は?」

「何とか命は取り留めましたが
 危険な状態で・・・」
    
「そうか・・・・・・
 
 今回の抗争の、背後には
 必ず伊納組がいる
     
 大本が、伊納組の仕業なら
 うちと仲本組との対立抗争
 が起こった事で、一番
 好都合なのは」
 
「伊納組」
  
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