飴色蝶 *Ⅰ*
「親父、出て来られました」
 
「カナメ、すぐ戻る」  

庵は車を降りて、朱莉に
近づいた。

「シュリ、待ってたんだ」

「イオリ、今日は
 一緒に帰れるの?」

庵は、首を左右に振った。

「おまえに、大切な話がある」
 
真剣な眼差しでそう告げる庵に
朱莉はさっきのように笑って
みせた。

「知ってるわよ
 
 この間、お酒に酔った
 ショウさんから聞いたの
    
 貴方に新しい女(ヒト)が
 できたみたいだと・・・
    
 相手の女性が
 どんな人かまでは
 教えてはくれなかったけど
    
 きっと、それは
 スミレさんなんでしょう?」
   
「ああ」
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