飴色蝶 *Ⅰ*
庵の言葉に両手で顔を
覆った私は、数秒後

その手を下ろして
前を見た。
     
そして、辺りを
見渡したが、庵の姿は

もう、どこにも
見当たらなかった。

私はもう

あの頃の私じゃないよ。

もう

ずっと以前に穢れている 

どうすれば、貴方は

私を

受け入れてくれるの?


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