飴色蝶 *Ⅰ*
「ごめんなさい

 わたし・・」

「逢ってるよ
 
 お前よりもマメにね」

そう言って
庵は、口元を緩めた。

「もう、イオリって
 見かけによらず
 シスコンなのね」

「ああ、アイツは
 俺にとって絶対だよ」

朱莉は、自分を抱いて
おいてサラッと妹の事を
絶対だという庵に

少し腹が立ち、彼が絶対
に言わないと分かって
いながらも困らせる為に
聞いてみた。

「イオリ

 私を愛してる?」

庵は今まで関係を持った
女達に愛してると
口にした事は無かった。
< 79 / 488 >

この作品をシェア

pagetop