田舎姫と都会王子
「わりい…。俺は父親の愛人の子供なんだ。」


「えっ!」


「俺の母親は、俺を生んだ後姿を消したんだ。親父から大量の金を取ってな。」


「酷い…」


「兄貴の母親にはその事は秘密にしていたそうだ。俺の事は友達の息子で両親に不幸があったから家で育てると親父は言ったんだ。だけど……」


要は、そう言って私の服を握った。


「最初は、兄貴の母親も俺を本当の息子のように可愛がってくれたし。兄貴も本当の弟のように可愛がってくれた。でもそんな幸せな日々はそう長くは続かなかったんだ。」
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