【続】イニシャルはKK
家に近付くと、なんとも言えない気分になる。

親父の病院、すぐ横に俺のいた学校。
もう何年前になるんだろう。

ドナー待ちで
親と離れて暮らす日々。
あの頃は家族みんな葉山で暮らしてたからな。

でも
一人じゃなかった。
いつも側に奏がいた。

奏は今の俺をどう思ってるだろう。

お前の目から見て
俺は歌音を守れてる?
歌音を愛する気持ちは誰にも負けないけど、あいつを幸せに出来てるかは…?

もっと強くなりたい。
強くなって
あいつを不安な気持ちにさせずにいたい。

なぁ、奏。
どうすりゃあいつを安心させられるかな?
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