不良BOY



「お母さん。なんか頭くらくらしてきた。」



私は頭を手で押さえながら言う。



「え?優奈大丈夫?」



すると、思っていたとおり。


お母さんはすぐ私のところへ駆け寄ってきてくれた。


「優奈大丈夫?」



続いて横山くんも私の方に駆け寄ってくる。



「まだベッドで寝てたほうがいいわね。」



お母さんは私を抱えてベッドに寝かせた。



「横山くん、優奈の風邪移っちゃったらダメだから悪いけど今日は帰ってくれる?」



私が望んでいた言葉を口にしたお母さん。



頭くらくらしたなんて嘘。


横山くんをこの家から追い出すために。



「あ、でも………」



横山くんは口籠もる。



どーせ、心の中じゃ「はあ?!ふざけんなよ?!」とか考えてるくせに。



「……わ、分かりました…。」


少し考え込んだ横山くんは仕方ないという顔で言う。


「ごめんね。じゃあね。」



「はい。おじゃましました。」


お母さんが申し訳なさそうに謝ると横山くんは丁寧に頭を下げ、家を出ていった。


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