不良BOY



バンッ



私は力一杯神谷を突き飛ばした。



「ってえな!!何すんだよ!」



神谷の怒鳴り声が狭い観覧車の中に響く。



「最低!!!何してくれてんのよ!!もうっ最低!最低!」



私は頭ん中パニック状態で、ただ何度も何度も神谷に怒鳴ってた。









だって









ファーストキスだったもん。










初めてだったんだもん。










「そんなに嫌だったのかよ?!観覧車の頂上でキスとか普通じゃん!!」






神谷の顔は真剣だった。






さっきまでの笑顔がない。





「…なんで…大っ嫌いな奴にファーストキスを奪われなきゃいけないのよ………神谷…最悪…大嫌い…」



本当、こいつと関わるとろくなことない―






この時、改めて思った。








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