恋愛感情
「転校生っていつ君の!?」
クラスの主犯格的存在にいる男子《大竹拓未》が突然聞いた。
「今日。」
芳樹はそう答えた。
皆は芳樹の答えに戸惑いを隠せずにいた。
別に変なことではないのだが・・・
こいつは変なのだ。
芳樹はいつも1週間前にはその情報をつかんでいる。
その芳樹が当日だなんて・・。

転校生というよりも皆そっちにくぎづけだった。

きーんコーンかーんコーン。

そうしているうちにあっという間にチャイムが鳴った。
そうして皆は席に着いた。
皆緊張して待ちかまえていた。

【異性でありますように・・・】
たぶん皆が一つとなって願ったのはそれくらいのことだと思う。
でも・・・私が祈ってたのは・・・
【私が真面目なのがばれて・・・いじめられることなどありませんように・・・】
だった。

がら・・・。
ドアが開いた。皆にとっても私にとっても緊張の瞬間。
先生が入ってきた。
先生は一見真面目でお固くてめんどくさそうな人に見えるが・・・
実際は優しくて面白くて生徒のぼけに突っ込んでくれる先生だ。
そして先生が口を開いた。
「今日は転校生を紹介します。」
どきどきどきどき・・・。
「谷垣涼君だ。入りなさい。」
谷垣涼。なんか良い響きだなぁ。
こつ・・こつ・・・。

〔ぁ・・・〕
「谷垣涼です。よろしくお願いします。」

その谷垣涼と名乗る男は・・・
とっても爽やかで・・・
とってもかっこよくて・・・
とっても紳士的だった。

私が思った・・。
いやきっとこのクラスの女子全員が思っただろう第一印象は・・・
〔 かっこいい!! 〕
だった。
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