hiding

I withdrawal

順風満帆だった。大好きな友達がいて、勉強もそれなりに面白かった。笑顔を取り戻した気がした。

布団を被って泣く事も少なくなった。

母とも解り合えると思っていた。

でも私は解ってなかった。

姉が巣立った母のストレス、不安、寂しさ。

それは私への不満となって私に襲いかかった。

ごめんなさい、ごめんなさい。布団の中で私は繰り返した。

泣きすぎて頭が痛い。打たれた頬が、痛い。何より心が悲鳴をあげている。

「産まなきゃ良かった」

何度もフラッシュバックするその言葉。耳にこびりついてとれない母の声。

ごめんなさい、ごめんなさい。何に対しての謝罪か解らず繰り返す。

傷ついた心を抱くように自分の躰を抱きしめる。小刻みに震えているのが伝わってきた。

死ねば楽とは思うものの、母に嫌われたまま死ぬのは嫌だった。母のせいで死ぬのは嫌だった。

今はまだ時期じゃないだけ。だから待たなくちゃ。誰にともなく言い訳した。
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