青蝶夢 *Ⅰ*
貴方の足が止まる。

貴方は、黙ったまま
ある方向を指差した。
私は、貴方の長い
人差し指の先を
じっと、見つめる。

もともと、大きな瞳が
これでもかってぐらいに
大きく、見開いた。

声にならない・・・

そう、私の目の前で
青い蝶々が飛んでいる。

「うわぁ~、きれい」

足音を立てずに

ゆっくりと

近づいた、私は気づく。

「お花・・・なの?」
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