青蝶夢 *Ⅰ*
祖母に間違われた服を
いつものように交換する為に
手を取り合って歩く私達を
呼び止めた母は、こう言った。

「今日の、カヤノはとっても
 お淑やかで美人さんね
 いつの間に、こんなに
 お姉さんらしくなったの
 かしら」

母は、芳野を抱き上げて
頬と頬を寄せた。

母に抱かれる芳野を見上げた
あの時から、大好きな芳野は
私の一番のライバルになった。

大好きなのに

何だか・・・

嫌い・・・

母も、伊吹も、芳野を選ぶ。

私が伊吹に惹かれたのは

きっと

芳野の仕種を見て、伊吹を
好きだと分かったから
・・・かもしれない。

本当は、芳野から伊吹を奪って
芳野の悲しむ顔が見たかった
からかもしれない・・・
< 412 / 434 >

この作品をシェア

pagetop