天然彼氏と天然彼女
俺は2組だった。




2組のやつらはまともなやつがいねぇ。




友達いねーし。ていうか、女子集まりすぎだろ!!




「高橋くんは、好きな人いないの?」




そんな甲高い声で言われても答える気にもならない。




「いねーよ・・・。」




「やったぁ♪チャンス~!」




あぁ?やったぁだと?あいにくお前のことは興味ありませんよーっと。




「おーい、席つけー。」




担任の先生が入ってきた。




群がる女子はそそくさと自分の席へ。




「まずは自己紹介からしてもらおう。浅井からな。」




「はいっ・・・。」




ん?




この声、聞いたことがねーよ?




女だよな?




群がる女子たちの甲高い声とは正反対の声。




甘くて、とろけるような声。




「あっあたし、浅井 悠子っていいます。
 好きな果物はいちごですっ・・・。
 これからよろしくお願いします。」




いちご・・・。声と合ってるな。




どんな顔なんだろ・・・。



と、今まで下を向いていた俺の顔を上げた。




「ヤベェ・・・。」




思わず声が出てしまった。




浅井というやつはとんでもなくかわいかった。




小さな顔には、クルンとした長いまつ毛がついた大きな瞳。




奪いたくなるような、うるおいを保つ唇。




俺は、そいつの魅力にひかれていったんだ。




声もかわいい。




透き通るような白い肌、ほっそりしていて長い手足。




触りたい・・・。




いかんいかん!つい欲が出ちまった。




でも、今までこんな感情もったことがなかった。




「恋」




ふとその人文字が頭をよぎった。




俺、恋してるのか!?




どうなんだろう・・・・。
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