桜恋~純な生徒(あたし)と不純な先生(彼)~

まさかの新学期

教室に入るとあまり生徒はいなかった

やっぱり来るのが早かったらしい


閑散とした教室の中には

野球部っぽい、髪が短い男子が二人と

茶髪っぽいセミロングの可愛い女の子

そしてあたしの4人だけ


黒板に貼ってあった座席表をみる

あたしの席は一番窓際の後ろから二番目の席


席につくと窓から外の景色が見えた

さっき通ってきた満開の桜並木が見下ろせる


淡い薄紅色のグラデーションはまるで

きれいな絨毯のようだ


桜はあたしの名前の花だからもちろん大好きで

いろいろ見てきたけど、こんなにきれいなのは始めてだった


ぼうっと桜に見とれていると

「ねぇねぇ名前なんていうの?」

振り向くと始めにきた時はいなかった

―あたしが桜に見とれていた時にきたのだろう―

女の子が話しかけてきた

「はじめまして~私、谷中麻衣ね。名前なんていうの?」





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