未完成恋愛論

「双子座(ジェミニ)」

「双子座(ジェミニ)」

僕は堕ちてゆく
みんなが「帰る場所」へ 
そこへ辿り着けば 想いだす大切なもの

遥か古の都
この手で「守りたかった」
そして守れなかった 愛する人の笑顔

幾つの時代を彷徨う魂
重力に導かれ 安らぎを知らず探し求める

沈黙の記憶は、多くは語ってくれない
旅する意味を教えてはくれない


僕らはすれ違う
誰もが「行き交う歩道」で
忘れているから 忘れているだけだから

僕は堕ちて行く
すべて「想い出す場所」へ
そして出掛けてゆく 今度は忘れないと誓い

幾千の記憶を胸にしまう魂
重力に逆らって 愛する人が安らぐ母体へ

記憶が沈黙する その前に伝えなきゃ
「やっと巡り合えてよかったよ」と

僕らは生まれてくる
すべてを「忘れたまま」で
微かな遠い追憶 
夜空には「双子座(ジェミニ)」が輝いている

沈黙の記憶は、多くは語ってくれない
旅する意味を教えてはくれない

だけど
僕は「君」を守って往くんだ。
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