未完成恋愛論

「キミノポケット」

「キミノポケット」

あの日泣きたい時、泣いていたのなら
この胸の中を貴方に
伝えられたのかな・・

手首を何度切っても ためらい傷になる
天国に行きそびれた
そんな感じを味わう

君の瞳が閉じられると
もうこの世界に君は姿形無く

あの一番寒かった日 君の掌をポケットに終い込んで
希望の種が冷えないように、握り締めた

あの日君が旅立つ、今でも信じていない
この心の中に沢山の
笑顔があったから

手首を何度も切り裂き 赤い海に溺れる
君の元にただ行きたくて
失っていく意識に入る

君はただ悲しそうに アーロン川の向こう泣いていた
「自分の分まで」生きてよ、そう伝えている

自然に瞳から毀れた雫が落ちてゆくと
そこは夢から醒めた朝だった

あの一番寒かった日 君の掌をポケットに終い込んで
希望の種が冷えないように、握り締めた

「キミノポケット」はただ温かくて
もう少しだけでいいから
側に存在たかった。


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