名前違いのキミへ
扉を開けて、男子生徒が教室に入って来た。
緊張しているのか、足がギクシャクしている。
「石崎和也です。福島から来ました。よろしくお願いします。」
「えー、石崎の席は相川の隣な。」
あ…挨拶しといた方がいいかな…。
「相川千歳です。よろしく。」
その時の彼の表情を私は忘れない。目を見開き、驚いた顔をしたのだ。
え。
何。
私何かヘンなこと言った…?
そして、私の顔をまじまじと見ると、フッと笑って言った。
「相川、俺と付き合ってみない?」
どこかふざけたようで、楽しそうな彼の顔。