伝えたい事がある
変化

 
あたしには3歳上のお姉ちゃんがいる。学力やスポーツだけではなくとても綺麗な顔つき。こう言っちゃ何だけど、母も父も普通な顔つき。そんな親から生まれたお姉ちゃんは親から大事に大事に育てられた。

それだけじゃなくて学力もかなり優秀。だからあたしはお姉ちゃんが嫌い。勉強しなくても授業に出ただけで理解できちゃうお姉ちゃん。小さいころは自慢だったけど、今じゃコンプレックスでしかない。


「・・っと、じゃあいってきます。」


高校を卒業して晴れてあたしは大学生になった。もちろんお姉ちゃんと同じ大学には行かなかった。・・・ってゆうか"行けなかった"が正しいけど。


「咲陽!これ、忘れ物!」

靴をきちんと履いて玄関を出たときお姉ちゃんが後ろから追いかけてきた。


「あ・・・ ありがとう。」

「もう!このノート忘れたら今日のテストどうするつもりだったのよ。」

「その時はその時だよ!もううるさいなあ。」


忘れ物が多いことなんてわかってるし。ってゆうかお姉ちゃんだって分かってんじゃん。あたしだって毎日気をつけてないわけじゃないし。…朝からイライラするなあ。


「ったく、あんたは。でもまあ今日単位とれるかのテストなんでしょ。頑張ってね。咲陽、昨日遅くまで頑張ってたもんね。」


お姉ちゃんの優しい言葉だってあたしには嫌味にしか聞こえない。


「お姉ちゃんは勉強なんてしなくてもいつも大丈夫だもんね。嫌味にしか聞こえないし。」

「嫌味なんかじゃないよ。お姉ちゃん、咲陽が頑張ってるの知ってるし。あたしだって、勉強してないわけじゃないんだけどね」


そう言ってお姉ちゃんは少しひきつった様に笑った。


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