ガラスのタンポポ
エピローグ 〜翔〜
暗く寒い冬が明け、暖かな春が来た。


小鳥がさえずり、タンポポがそこらじゅうに咲く春。


オレは木陰で本を読みながら、遠くから2人を眺める。


奏来はタンポポを集めかんむりを作って。


それを兄貴に渡す。


兄貴は照れくさそうにそれを受け取り、奏来は笑うんだ。


取り戻した奏来の笑顔は。


子供の頃の無邪気な笑顔。


かげりのない笑顔だ。
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