黒紅花
戸惑う私に
貴方は言う。

「トキワに
『お前をもらう』と
 言ったのは
 俺の本当の気持ちだ
 チトセ、お前と話して
 俺は、お前が
 欲しくなった」

貴方の腕の中

見つめる瞳

貴方の手が
私の手に触れる。

「お前も、さっき
 俺の言葉に
 頷いただろ?」

『・・・いいよな?』

私は思い出し、それは
誤解だと伝えようとした
その時
貴方の声は続く。

「だから、今日から
 お前は俺だけのもので
 俺はお前だけのものに
 なる」

私の心臓は苦しい程に
痛む。

「頷いたのは・・・」

誤解だなんて
とても言えない。

ううん。
言いたくない。

でも、言わなきゃ・・・
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