黒紅花
「それでこそ、私のお兄ちゃん

 チトセから連絡があったり、また
 こうして会うことがあれば真っ先
 に知らせてあげるからしっかりしなよ
 
 今日の再会は……うまくいかなかった
 けど、次へのステップだと思って
 
 次こそは、がつーんと気持ち伝えなよ」

なぎはその場に立ち上がって、ひさぎの胸を一突きした。

「いてぇ」

「じゃあね

 そうだ、ヒサ兄

 連絡、待つまでもないかも
 
 チトセなら多分……
 会いに行ってあげなよ」

「ありがとう

 ナギ、おまえ
 ちゃんと飯食ってるか?
 
 そうだ、金……」

ズボンのポケットから財布を取り出そうとする、ひさぎ。

「ヒサ兄のお恵みなんていらない
 バイトだってしてるもん

 私は大丈夫だよ、心配しないで」

「ああ、そうか

 今度、暇な時に連絡するって
 トキワに伝えて」

「うん、分かった、またね」

店の外に停めてあるバイクに跨る、ひさぎ。

俺が今、しなければいけないこと!
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