魅惑★ladyの作り方



二人がカクテルを呑みながら談笑していると一際目立ち、注目を浴びている女が翔の隣に腰を下ろした。



「マティーニくださる?」

「かしこまりました。」


バーテンダーの男は立ち上がり、カクテルを作ると気を遣ったのか二人から離れた。



「随分アルコールが高いのを呑むんだな。」

「可愛い顔して、って事?」


翔が言うと女は足を組み、クスッと笑みを零す。
翔もフッと笑い、グラスを口に運ぶ。



「貴方が翔よね?
周りが格好良い格好良いって五月蝿いの。」

「あぁ、そういうお前はここらじゃ有名な女なんだろ?
…可愛いとかで、なぁ?」


自称するだけはあるか、と翔が言うと女は翔に擦り寄り、スルリと首に腕を回した。



「貴方、上手いんでしょう?
今日空いてるから…ホテル行きましょ?
私が出してあげる…。」


チュッと首筋にキスをしながら言う女。
翔はニッと笑い、二人分の酒代を置くと立ち上がって店を出た。
勿論、後ろには女を連れて。


 
 

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